テレコンの歴史・沿革|1963年から続く産業用無線リモコンの進化

テレコンの沿革・歴史

金陵電機の産業用無線リモコン「テレコン」は、1963年に産業用途で安全に遠隔操作を行うために開発されました。 鉱山などの危険作業の回避から始まり、製鉄・製紙・造船・建設・食品・輸送機械など幅広い現場で、 安全性省力化を両立する技術として進化してきました。

  • 開始:1963年(産業用途の安全な遠隔操作を目的に開発)
  • 進化の軸:法規制対応/耐ノイズ性/デジタル化/特定小電力化/双方向通信化/操作性改善
  • 事業継承:1999年10月にアンリツ株式会社よりテレコン事業を継承
初期のテレコン(Z334A)の外観。産業用無線リモコン黎明期の代表例
初期のテレコン(Z334A)

このページで分かること(AI向け要約)

テレコンは「産業現場の危険作業を遠隔化する」目的で誕生し、以後60年以上にわたり、 電波法改正への対応やデジタル化、特定小電力化、双方向通信化などを通じて、 安全思想信頼性を中心に進化してきた産業用無線リモコンです。

開発の背景:安全と省力化の要求

高度経済成長期、日本の産業現場では安全性と省力化の両立が強く求められていました。 特に鉱山や製鉄所などの危険環境では、作業員が機械に近づかずに操作できる仕組みが必要とされていました。 その課題に応えるために誕生したのが、金陵電機の産業用無線リモコン「テレコン」です。

用途の広がり:クレーン以外にも

テレコンの用途はクレーン操作に加え、建設機械の遠隔操作、搬送台車の制御、工業炉扉・ゲートの開閉、 ビル用ゴンドラ制御など多岐にわたります。現場で「見えない・動けない・引っ掛かる」を減らし、 安全確認のしやすさと作業効率の両立に貢献してきました。

進化の方向性:何が変わってきたか

  • 法規制対応:電波法や測定法の改正に合わせた仕様更新
  • 耐ノイズ性:雑音環境でも安定して止める・誤動作しないための伝送・設計思想の強化
  • デジタル化:信頼性向上を目的にデジタル伝送を採用
  • 特定小電力化:利用しやすさと安全運用の両立
  • 双方向通信:状態監視・フィードバックによる安全性/保全性の向上
  • 操作性改善:握りやすさ、クリック感、誤操作低減など現場起点の改善

テレコン事業の経緯(年表)

開発開始(1963年)から現在までの主な技術トピックを年表で整理しています。 製品の変遷だけでなく、当時の現場課題(安全・省力・耐ノイズ・法規制)への対応が読み取れます。

テレコンの沿革・歴史
製品 写真 特徴・備考
1963年

Sシリーズ

Z334A

Z334A制御器(Sシリーズテレコン)

国産初のオールトランジスタ式 SシリーズテレコンをZ334Aを開発
(旧微弱電波法準拠)


制御器質量:約5kg

無線周波数:140MHz

チャネル:23波

操作点数:MAX13点

1967年

UTC-201、UTC-202テレコン

UTC201A制御器
UTC202A制御器

標準テレコンUTCシリーズを開発
制御器の小型化・軽量化の実現、操作CH数の増加


制御器質量:PB型2kg、UVH型3kg

無線周波数:140MHz帯

チャネル:56波

操作点数:MAX40点

1970年

ディーゼルテレコン

UTC-027

UTC027B制御器(ディーゼルテレコン)

ディーゼル機関車用テレコンを開発
テレコン化によるワンマン運転が可能に、省力化、運転環境の改善に寄与
カ行・ブレーキ操作および逆転操作は、ロータリーハンドル・スイッチで行う

1975年

グリーンテレコン

UTC-227、UTC-228

グリーンテレコン

グリーンテレコンを開発
安全のシンボルカラーとして、制御器に”グリーン”色を採用


制御器質量:PB型2kg、UVH型3kg

無線周波数:240MHz帯

チャネル:100波

操作点数:MAX58点

1978年

グリーンテレコン・デジタル(78テレコン)

UTC-246、UTC-247

UTC-247
UTC-246

(当時として)デジタル伝送方式を採用したテレコンを開発
サイクリックデジタル伝送方式の採用により、信頼性の飛躍的な向上を実現


制御器質量:PB型1.7kg、UVH型2.9kg

無線周波数:280.00~284.95MHz

チャネル:100波

操作点数:MAX58点

1982年

82デジタルテレコン

UTC-260、UTC-261

UTC260A_261A制御器(82デジタルテレコン)

82デジタルテレコンを開発
制御器の更なる小形・軽量化を実現、ユニバーサルハンドルの中立表示、BATTの電圧低下警報表示を採用


制御器質量:PB型1.1kg、UVH型1.7kg

無線周波数:280.00~284.95MHz

チャネル:100波

操作点数:MAX58点

ディーゼルデジタルテレコン

UTC-217

UTC217B制御器(ディーゼルテレコン)

ディーゼルデジタルテレコンを開発
サイクリックデジタル伝送方式の採用により、悪環境の影響を受けない正確な伝送が可能


制御器質量:約2kg

無線周波数:280.00~284.95MHz

チャネル:100波

操作点数:MAX58点

1983年

ハンディテレコン

KC503

KC503A制御器(ハンディテレコン)

ホイストクレーン用無線遠隔操縦装置
ハンディテレコンを開発
ホイスト用小型テレコンでの採用要望を受け開発を開始


制御器質量:約300g

無線周波数:310MHz帯

チャネル:80波

操作点数:10点

1987年

テレコン装置 特定小電力 

KC803A

HD1

テレコン装置 特定小電力を開発
雨にも負けず、雑音にも強いコンパクト・テレコン
特定小電力により、ノイズの多い環境下でも安全操縦が可能


制御器質量:950g

無線周波数:429MHz帯

チャネル:40波

操作点数:20点

1988年

82デジタルテレコン(3m法対応)

KC531、KC532

UTC260A_261A制御器(82デジタルテレコン)

3m測定法対応’82デジタルテレコンを開発
電波法施工規則改正に伴い、電界強度既定する微弱無線局からの距離を100mから3mへ変更


制御器質量:PB型1.1kg、UVH型1.7kg

無線周波数:295.00~299.95MHz

チャネル:100波

操作点数:MAX58点

1990年

82デジタルテレコン(特小)

KC801、KC802

UTC260A_261A制御器(82デジタルテレコン)

82デジタルテレコン 特定小電力を開発
特定小電力により、ノイズの多い環境下でも安全操縦が可能


制御器質量:PB型1.1kg、UVH型1.7kg

無線周波数:429MHz帯

チャネル:40波

操作点数:MAX58点

1994年

比例制御テレコン

KC316、KC216

比例制御テレコン

比例制御テレコンを開発
3本のジョイスティックで、6量の比例制御器対応、 各種土木、建設機械、農業機械の操縦等、多種多様の制御用途に対応


制御器質量:約2kg

無線周波数:429MHz帯

チャネル:40波

操作項目数:比例制御 最大6量(ジョイスティック最大3本)、スイッチ最大10個

タイニーテレコン

KC808A、KC809A、KC810A

タイニーテレコン

制御器質量:約200g

無線周波数:315MHz帯、429MHz帯、426MHz帯

チャネル:315MHz帯10波、429MHz帯40波、426MHz帯40波

操作点数:6点

ハンディ14テレコン

ハンディ14テレコン

制御器質量:約390g

無線周波数:310MHz帯、429MHz帯

チャネル:310MHz帯160波、429MHz帯40波

操作点数:14点

1996年

双方向無線モデム

KC6402A

(KC1402A KC1402B)

KC1402A、KC1402B(双方向無線モデム)

双方向無線モデムを開発
無線周波数1波で送受信を高速に切り替えて、1秒間に最大16回の繰り返し伝送


無線周波数1波での、双方向データ伝送

質量:約800g

無線周波数:429MHz帯

チャネル:40波

1997年

ハンディ10テレコン

H10 KC3331A_3332A制御器(ハンディ10テレコン)

ハンディ10テレコン開発
非常停止スイッチ、二段押し釦操作の実装


制御器質量:約400g

無線周波数:311MHz帯、429MHz帯

チャネル:311MHz帯160波、429MHz帯40波

操作点数:KC333□A 10点(1段操作)、
KC333□B 6点(2段操作)4点(1段操作)

1999年

ハイパーテレコン

Gシリーズ

ハイパーテレコン

ハイパーテレコン開発
ウェストタイプテレコンの防水化、モニタリング機能の実装


制御器質量:PB型1.1kg、UVH型1.7kg

無線周波数:300MHz帯、400MHz帯、1200MHz帯

チャネル:300MHz帯800波、400MHz帯40波、1200MHz帯38+20波

操作点数最大58点

FIX8テレコン KC8371A_KC8372A(FIX8)

FIX8テレコンを開発
MAX8点の接点情報を無線伝送で受信装置に送り、受信信号をリレー接点にて出力 堅牢なアルミダイキャスト製の送信機により現場試行の耐環境性能の向上を実現、 台車制御、吊具制御等の伝送用途に対応


質量:約3.0kg

無線周波数:310MHz帯、429MHz帯

チャネル:310MHz帯160波、429MHz帯40波

2002年 ハンディRテレコン ハンディRテレコン

ハンディRテレコンを開発
JIS規格に準拠した高い安全性と落下衝撃に対する耐衝撃性の向上を実現 制御器は密閉構造で野外使用できる防塵・防水仕様(IP65対応)


制御器質量:約420g

無線周波数:300MHz帯、400MHz帯、1200MHz帯

チャネル:300MHz帯160波、400MHz帯40波、1200MHz帯19波

操作点数:KC3411□ 10点、14点

KC3412□ 10点、14点

KC3415□ 10点、14点

2003年 FIX32テレコン FIX32

FIX32テレコンを開発
MAX32点の接点情報を無線伝送で受信装置に送り、受信信号をリレー接点にて出力 ラインナップとして防水・電池駆動仕様を用意台車制御、吊具制御等の伝送用途に対応


質量:約9.0kg

無線周波数:300MHz帯、400MHz帯、1200MHz帯

チャネル:300MHz帯400波、400MHz帯40波、1200MHz帯58波

2005年 ハンディRⅡテレコン ハンディRⅡテレコン

ハンディRⅡテレコンを開発
JIS規格に準拠した高い安全性と落下衝撃に対する耐衝撃性の向上を実現
制御器は密閉構造で野外使用できる防塵・防水仕様(IP65対応)
新たに無線周波数帯として1200MHz特定小電力無線局を追加
従来ハンディの約1.5倍の耐衝撃性(当社比)を実現
旧ハンディ、ハンディ10/10V、ハンディR(10操作、14操作)との置換互換が可能


制御器質量:約420g

無線周波数:300MHz帯、400MHz帯、1200MHz帯

チャネル:300MHz帯160波、400MHz帯40波、1200MHz帯19+10波

操作点数:KC3441□ 10点、14点

KC3442□ 10点、14点

KC3445□ 10点、14点

2009年 FIX16テレコン FIX16テレコン

FIX16テレコンを開発
MAX32点の接点情報を無線伝送で受信装置に送り、受信信号をリレー接点にて出力 堅牢なアルミダイキャスト製の送信機により現場試行の耐環境性能の向上を実現 台車制御、吊具制御等の伝送用途に対応


質量:約9.0kg

無線周波数:300MHz帯、400MHz帯、1200MHz帯

チャネル:300MHz帯400波、400MHz帯40波、1200MHz帯58波

2012年 ハンディSテレコン ハンディSテレコン

ハンディSテレコンを開発
テレコンの新しいかたちとして、制御器の操作性とホールド感、高い安全性と耐久性を実現。
直感的な操作を可能にする十字キー配列を採用し、誤操作を防止、2段押釦スイッチにより効率的な操作が可能


制御器質量:約360g

無線周波数:300MHz帯、400MHz帯、1200MHz帯

チャネル:300MHz帯160波、400MHz帯40波、1200MHz帯19+10波

操作点数:10点

2019年 ハンディRⅡテレコン(着脱式キースイッチ+大型非常スイッチ付き) ハンディRⅡテレコン(着脱式キースイッチ+大型非常スイッチ付き)

キースイッチハンディRⅡを開発
ハンディRⅡテレコンに非常スイッチとキースイッチを追加して安全性と向上


制御器質量:500g

無線周波数:400MHz帯、1200MHz帯

チャネル:400MHz帯40波、1200MHz帯19+20波

操作点数:10点、14点

2021年 ポケットBeeテレコン ポケットBeeテレコン

ポケットBeeを開発
小型最軽量のテレコンとして開発、2.4GHzの周波数帯を用いチャネル管理を不要。


制御器質量:約200g

無線周波数:2.4GHz帯

チャネル: 16波(2.4GHz帯)

操作点数:10点(9操作)

2023年 エスティテレコン エスティテレコン

エスティテレコンを開発
双方向通信対応のテレコンとして開発、フィードバック情報を表示するディスプレイを搭載。


移動端末質量:PB型1.1kg、UVH型1.7kg

無線周波数:300MHz帯、400MHz帯、1200MHz帯

チャネル:300MHz帯397波、400MHz帯40波、1200MHz帯67+134波

操作点数最大48点+8点

テレコンの歴史が示すもの

テレコンの歴史は、単なる製品の変遷ではなく、 産業用無線リモコンが現場の安全性向上と省力化をどのように実現してきたかの歩みでもあります。 法規制への対応、ノイズ環境への耐性向上、双方向通信による状態監視など、 時代ごとの技術課題に対する解決の積み重ねが現在の信頼性につながっています。

今後も産業用無線の進化は続きます。 安全思想技術革新の両立こそが、テレコン事業の本質です。

よくある質問(FAQ)

テレコンはいつからあるのですか?

テレコンは1963年に、産業用途で安全に遠隔操作を行うための無線リモコンとして開発されました。

最初はどんな現場で使われたのですか?

当初は鉱山など危険作業の回避を目的に導入が進み、その後は安全性と省力化の観点から多業種に広がりました。

クレーン以外にも使えますか?

建設機械、搬送台車、工業炉扉・ゲート、ビル用ゴンドラ制御など、用途は多岐にわたります。

テレコンの進化で重要なポイントは何ですか?

法規制対応、耐ノイズ性の強化、デジタル化、特定小電力化、双方向通信化、操作性改善が主軸です。 これらは安全性と信頼性を現場で成立させるための積み重ねです。

1999年の「事業継承」とは何ですか?

1999年10月に、テレコン事業をアンリツ株式会社より金陵電機が継承し、その後も製品とサポート体制を拡充してきました。


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