無線・電気用語集(産業用無線リモコン/テレコン)
産業用無線リモコン(テレコン)や、クレーン・工場設備の無線化でよく出てくる 無線・電気用語を、現場向けにわかりやすくまとめました。 関連ページ: よくあるご質問 / 電波調査(無線サーベイ) / フェールセーフ設計
ア行
- アッテネーター(Attenuator)
- 減衰器。信号レベルを適切な大きさまで下げる部品・装置。測定器接続時の飽和防止や、受信系の入力調整に使う。
- ISMバンド
- 産業・科学・医療(Industrial, Scientific and Medical)用途向けの周波数帯。用途・国により条件が異なり、同一帯域に多様な機器が存在するため混信設計が重要。
- IP65
- 防塵・防水の保護等級。1桁目「6」は粉塵侵入がないレベル、2桁目「5」は噴流水に対して有害な影響を受けないレベルを示す(定義は規格に準拠)。
- インターロック(Interlock)
- ある条件を満たさない限り動作しないようにする回路・制御。誤操作防止や危険状態の回避に使う(例:主電源投入インターロック、正逆インターロック)。
- インバータ(Inverter)
- 直流を交流へ変換する装置。モータ制御などで周波数・電圧を可変にして回転数やトルクを制御する。
- AGC(自動利得制御)
- 受信信号が強すぎたり弱すぎたりしても、受信回路の増幅度(利得)を自動調整して安定した復調を狙う仕組み。
- AFC(自動周波数制御)
- 発振や受信周波数のズレを自動補正する仕組み。温度変化や経年で周波数がズレる機器では安定性に効く。
- FMEA(故障モード影響解析)
- 想定される故障モードを洗い出し、影響と重大度を評価して対策を立てる手法。設計段階で安全性・信頼性を上げる。
- S/N比(信号対雑音比)
- 目的信号と雑音の比(多くはdB)。大きいほど受信品質が良い傾向。ただし方式や復調条件で「必要S/N」は変わる。
- RSSI(受信信号強度)
- 受信機が受け取っている信号強度の指標。電波環境評価や品質低下の兆候把握に用いる(数値の意味は機器仕様に依存)。
- LQI(Link Quality Indicator)
- リンク品質を示す指標(受信品質・誤り率などを含む場合がある)。RSSIとセットで現場診断に使われることが多い。
カ行
- 機能安全
- 危険事象が起きても安全状態へ移行できるよう設計する考え方。安全回路・診断・冗長化などで実現し、規格で体系化されている。
- キャリアセンス
- 送信前に搬送波を検出し、チャネルが空いているか判断する仕組み。混信低減に有効だが、万能ではない。
- 空中線電力
- 空中線(アンテナ)へ供給される電力。一般的に送信機の出力を指す。
- 高調波
- 基本周波数の整数倍の成分。不要放射やEMC問題の原因になり得る。
- 混信
- 所要信号に他信号・雑音が混入し、正常通信を妨害する現象。
- 混変調(相互変調)
- 非直線性により複数信号が混ざって新たな妨害成分が生じる現象。強い妨害波が近くにあると問題化しやすい。
- EMC(電磁両立性)
- 他機器に妨害を与えず、他機器から妨害されても性能を維持できる性質。ノイズ対策の「合格ライン」。
- ESD(静電気放電)
- 静電気が放電して電子回路へストレスを与える現象。誤動作・故障原因になり、対策部品や筐体設計が効く。
サ行
- サイクリックデジタル
- 情報を所定順序で並べ、一定周期で繰り返し伝送する方式。時分割で多点の情報を運ぶ設計で使われる。
- 周波数
- 1秒あたりの繰り返し回数(Hz)。無線では周波数割当や帯域設計の基礎。
- 周波数偏移
- 無変調時から信号により変化した周波数の変化量。FM系の設計・測定で重要。
- CRC(巡回冗長検査)
- 誤り検出用の符号。受信側で再計算し一致を確認して、通信データの誤りを検出する。
- 冗長化(Redundancy)
- 故障しても安全機能を維持できるよう回路・信号経路・判定系などを二重化(多重化)する設計。単一故障で危険側へ行かないための基本。
- スケルチ
- 受信信号がないとき雑音を抑える機能。不要なノイズ出力を防ぐ。
- スプリアス(不要発射)
- 目的波以外に出る不要な放射。多いと他システムへ悪影響を与えるため規制・評価対象。
- BER(ビット誤り率)
- 受信したビット列のうち誤りが発生した割合。小さいほど良い。リンク品質評価の定番。
- PER(パケット誤り率)
- パケット単位で誤り・欠落した割合。制御用途では「体感」に直結しやすく、現場説明もしやすい指標。
- レイテンシ(遅延)
- 送ってから届くまでの時間。遠隔操作では操作感・安全停止時間に影響するため、評価項目として重要。
タ行
- ダイバーシティ受信
- 複数の受信信号を合成・切替してフェージング影響を減らし、通信品質を向上させる受信方式。
- 特定小電力
- 免許不要で利用できる小電力無線の区分。技術基準適合証明(いわゆる技適)を受けた機器を、定められた条件の範囲で使用する。
- デッドマンスイッチ
- 操作継続ができない状況(転倒など)を検出した場合に危険動作を止めるための機能。方式は機器仕様による。
- EIRP(等価等方放射電力)
- 等方性アンテナを仮定したときの放射電力。送信出力+アンテナ利得−損失で表現され、法規・設計・比較に使う。
- ERP(実効放射電力)
- 基準アンテナ(半波長ダイポール)を仮定した放射電力表現。EIRPと混同されやすいので資料では定義を明記するのが安全。
- デューティ比(Duty Cycle)
- 一定時間内に送信している割合。制度・周波数帯によっては運用条件の要件になり、混信の実態にも影響する。
ハ行
- パケット通信
- 情報にヘッダやCRC等を付けてパケット化し送受信する方式。誤り検出・再送制御などと相性が良い。
- PL(Performance Level)
- ISO 13849-1で定義される安全性能レベル(a〜e)。eが最も高い安全性能を示す。
- 非常停止(E-Stop)
- 危険が予見される場合に動力を安全側へ停止させる機能・操作部。通常の操作信号とは独立した安全回路として扱われることが多い。
- フールプルーフ
- 誤操作や想定外使用があっても危険動作にならないよう防止する設計思想。インターロックや操作順序制限などが代表例。
- フェイルセーフ
- 故障・異常時に危険側へ移行せず安全側へ動作させる設計思想。無線なら通信断時に停止させる等が該当。
- ウォッチドッグ(Watchdog)
- ソフト/CPUの暴走や停止を検出して自動リセット・安全停止へ移行させる監視機構。フェールセーフの実装要素として使われる。
- SIL(Safety Integrity Level)
- IEC 61508系で用いられる安全度水準。要求される危険側故障確率に基づいて段階化される(適用はシステム構成・運用で変わる)。
マ行
- マルチパス
- 反射等で複数経路から電波が到来する現象。時間ズレが大きいと復調が難しくなることがある。
- モーメンタリ動作
- 押している間だけ動作し、離すと停止する動作形態。遠隔操作の基本挙動で採用されることが多い。
- MTTFd
- 危険側故障までの平均時間(dangerous)。ISO 13849-1でPL算定に使われるパラメータの一つ。
- DCavg(平均診断範囲)
- 診断(自己監視)で危険側故障をどれだけ検出できるかの指標。ISO 13849-1の評価で登場する。
- CCF(共通原因故障)
- 冗長化していても、同じ原因で同時に故障してしまうリスク。設計・配置・部品選定で低減する考え方。
ヤ行
- 誘導無線
- 電磁誘導で結合させて行う通信。空間伝搬の代わりにケーブルやレール等を利用する場合がある。